うんちく、あれこれ
サイトを見てくれている方やお客さんから、よく質問されることについて書いています。ネジの締め方、サスペンションセッティングの考え方などなど。最近はFacebookにて更新中!
2010/11/25

数多くのバイクに乗ろう

食べ物で言うと 生まれて一種類の食べ物しか食べた事がないとすると
それが ショッパイのか甘いのか 美味しいのか まずいのかも分からないだろう。
いろんな食べ物を食べる事によって味覚の感覚やセンサーなどが蓄積され
食品の種類やあじつけの好みが出て来るものだ。

オートバイという乗り物も同じで 数多く乗る事で自分のサンサーが鍛えられる。
数多く乗って自分のオートバイが塩味足らなければ塩を足せばいいし
濃ければ薄めればいい。車種が違えばすべて同じにするという事は出来ないが
近ずかせることはできるんだよ。

Aという車両の乗り心地がいいと思えばそのように近ずければいいし
Bという車両の旋回性がよければそのように近ずければいい。

そうする事で自分にあった車両ができるんだよ。

まずは信頼できる 仲間内 の車両で乗り比べてみよう。
他人が乗って自分の気が付かなかった事を指摘されることもあるから
人に乗ってもらって評価してもらうのも有りかな。

2010/11/24

勉強ではなくもっと遊ぼう

自分は勉強が嫌いだった.学生の頃いやな授業があると
サボってよく喫茶店にたむろしてたものだ.

しかしこの業界に入ってから分からないことや疑問に思ったことを良く調べたり
自分で実験したりしている。アルミニュウムの種類や強度 ヤング率 溶接できるか
とかを必要な物だけをノートに書き出したり 管内流体力学の本を読んだり
キャブレター、サスペンション メッキ コーティング 表面処理 その他もろもろの事を調べまくって実験して 気が付けば30年の月日がたっていた.

あるとき Bikers Station佐藤編集長に言われた.
小澤さん それは勉強じゃなくて遊んでいるんだよ。

なるほど 勉強じゃなくて遊んでいるからこんなに長く遊んでいるのか。

勉強 勉強 と思うと頭に入らなかったり 途中でイヤになったりするけど
遊びだったから今までつずけて来れたんだなと。

さて これから先もバリバリ遊ぼう。 

ね   佐藤さん

壊れた物にはヒントがある

壊れた部品はヒントがいっぱい詰まってる.
自分なりになぜ壊れたのかを推理し 次回壊れなくするには
どうしたらいいかを考える。
壊れなくなったとき自分のレベルが確実に上がっているものだ.

壊れてなくてもいい。当たりが強い 当たりが均等でない このような症状を
見逃さず クリアランスや組み方をもう一度確認してみよう。
いろんなことが見えてくる.

20℃の恒温室でエンジンを組むようになったり 部品を信用せずに
実際に計測して使うようになったのもこのようなことから始まったのだ.

2010/11/23

考えながら作業する。

考えながら作業することでほんの少しではあるが精度,完成度が高まる.

オートバイというものは部品の集合体であり部品のほとんどが ネジ によって
結合されている。
ネジという物は考えれば考えるほど奥が深く難しい。 メカニックとして
30年経つが 絶対この締め方だという締め方が決っておらず まだ
試行錯誤の状態です.

国家試験の整備士免許の内容でも ネジ の締め方や理論がほとんど
行っておらず.基本中の基本であるべき ネジ を軽視しすぎてるようにしか思えない。
1級整備士免許を持ってたとしても ネジ を理解している者がほとんどいない状況だ.

二本以上で結合されている部品(上画像の場合はキャリパー)はどちらが先に
締めたらいいか考えながら締めましょうと教えてます.
この場合 右 のキャリパーは下側のネジから閉め 左のキャリパーの場合は
上から締めることになります.
後は キャリパーボルトの軸力2000Kg超える為 1回で締めるか数回に
分けて締めるかで 少しの差ではあるが精度、完成度が変わってきます.
t単位で締め付けるのであれば人間の手で歪まなくても歪むものです.

オイル交換をしたことがある人は分かると思いますが ドレンワッシャー
つぶれたのを見たことあるでしょ。今度 踏んでください 人間の体重ぐらいでは
つぶれませんから.

一箇所の ネジ をキチンと締めてほとんどかわらなくても
1車両 何百とある ネジ をキチンと締めると変わるものです.
塵も積もれば マウンテン 

左の画像は フォークトップブリッジのピンチボルト。
右の画像は フレームの連結ボルト
マニアルだと同じトルク表示です。
アルミでしかもすり割のあるものと鉄で合わせただけの物が同じトルクで
締めていいのかなー 
木と鉄であれば締め付けトルクを替えるけど同じことだと思いませんか?

クラッチカバーのボルト このボルトもどこのボルトが1番最初に締めるか
何回に分けて締めるか考えて締めよう。
このクラッチカバー締め終わったときには数トンの力で止まってんだよ。
面が大きい物は締め方が悪いと歪む可能性があります.

エンジン組むときもよく観察して考えて組むとフィーリングも馬力も変わってきます.
メタルクリアランスなどもすべて同じにする必要は無く あえて ケース剛性や
クランクシャフト剛性を考慮しながら変えていくと結構変わるもんです。

マニアルとは誰でも新車時位に組めますよというもので 新車時以上に
組もうとするとよく考えて組むしかないんだよ.

2010/11/20

LEAVE EGO HERE

LEAVE  EGO HERE 日本語に直すと イーゴウをここに置け   イーゴウとはうぬぼれ 

イーゴウは捨てろ、でないと多くの問題を生む原因となり、多すぎるほどのドアを開けられなくなる。
自分は知りません、ということを学ぶべきだ

この言葉はアメリカで戦闘訓練学校のポウル ハウ という人の言葉です。

今まで自分はほぼ独学でいろんなことを調べ、実験し、研究してきた。
疑問に思ったことを原理、構造、理論に基ずき結論を出してきた。
今この歳になって初めて師匠と呼びたい人たちに出会った。(たぶん迷惑だろうが)
数年前から夕食を食べに行く間柄になったのだが この人たちと比べると自分はまだまだ
ヒヨッコでバイク工学の入り口にやっとついたと言う位の差を感じた。

この人たちは某研究所の人たちで(もうすぐ定年 歳の差約10歳)自分が疑問に思ったことを
いとも簡単に 分かりやすく答えてくれる。
「オートバイとは自立して立っていられない 立っていられないものは
構造 原理 理論 がしっかりしてないと走らせることは出来ない。」と言っていた、
ショックアブソーバーの進化の仕方、フレームの進化、材質構造による しなり 乗り味 重心位置
ねじれポイントなど いくらでも出てくる。まさにオートバイの生き字引である。

エンジン加工の話の中で自分が模索してやっといい加工方法を編み出したと思ったことを
「昔よくやったなー」の一言は正直落ち込んだものだ。

いろんなオートバイ雑誌が出ているが、
へたなライターや国際A級ライダーに聞くよりもこの人たちに
解説してもらった方が確実だし分かりやすく教えられると思う。
いまだにテレビで言うと真空管時代の話をまだ唱えてる記事も見るし(今はトランジスタ)
構造、原理、理論 で言うとつじつまが合わないこともいっぱい書いてある。
活字になって本になると間違ったことや古い考えのものでも読む人たちにとっては事実になってしまうものだ。
書いている本人たちは真実を書いているつもりだろうが時代時代で考え方も変わっていくものだ。

20年前のグリップ力のタイヤなど今の時代は売ってないし、20年前のスリックより現代の
ツーリングタイヤのほうがグリップするんだと。
GP500時代のバイク 重量130Kg 馬力 200Ps以上の菅生サーキットのラップタームより
現代のST600のほうがラップタイム早いんだよ。少し考えればなぜだか分かるよね。

サーキットのセッテイングでは ごまかしセッテイングが通用するけど街中では通用しないと言ってたことも印象的だった。

バイク業界の人たち(自分も含めて)もっと勉強しよう 

そして     LEAVE  EGO  HERE

10年後少しでも 師匠たちに 近ずけるように。

新しいうんちくへ 過去のうんちくへ