暖気とアイドリング

みなさん暖気してますか? エンジンは内燃機関なので暖気はしたほうがいいですよね。
でも アイドリングの暖気はエンジンにとって良くないのを知ってますか?

暖気終了後のアイドリングの油圧は大体2Kg/平方センチメートルなんですが 
エンジンかけ始めの油圧は7Kg/平方センチメートルまで上がってます。
エンジンの油圧経路には圧力が過度に上がりすぎないようにオイルプレッシャーレギュレター
という部品が入っていて約5Kg/平方センチメートルの圧力になるとオイルを
逃がす構造になっています。

ということはエンジン冷えているときにはオイル粘度が高いためオイルジェットなど細い通路
を通りにくくなり油圧が上がってしまいます。
油圧はあるが油量は足らない状態です。

カムシャフトなどの摺動抵抗は回転が上がれば上がるほど少なくなってくるそうです。
ある大学実験施設のすごくお金がかかったカムシャフトの各回転数による摺動抵抗の
実験データーをもらいましたが低い回転ほど摺動抵抗が多いんです。
それもカムシャフトのトップ(一番高いところ)ではなくノーズ(トップの前後)が一番
摺動抵抗が大きいそうです。

ではエンジン冷えてる時のアイドリングはエンジンにとっていいものなのか?
答えは ノー です。

ホンダの朝霞研究所では24時間アイドリング耐久試験というものがあって試験後に
不具合があれば焼き入れ変更や材質変更するようです。

ではどうやって暖気したほうがいいでしょう。当店の考え方ですと走らないで暖気するならば
3000rpm一定で水温(油温)60度になったら走り始め80度になるまでおとなしく走る。
止まって暖気出来ないのであればすぐに走ってしまい60度まで3000rpm以下で走ってしまう。
80度からは普通に走行

アイドリング暖気してる人ほどエンジン分解するとカムシャフト傷んでます。

レースの世界で解かっているチームはエンジンかけてすぐに3000rpm一定で
水温上昇とともにクリッピングの量をちゃんと決めてます。

良かれと思ってやってることが実は害になるということはこの他にも多々あるもんです。