考えながら作業する。
考えながら作業することでほんの少しではあるが精度,完成度が高まる.
オートバイというものは部品の集合体であり部品のほとんどが ネジ によって
結合されている。
ネジという物は考えれば考えるほど奥が深く難しい。 メカニックとして
30年経つが 絶対この締め方だという締め方が決っておらず まだ
試行錯誤の状態です.
国家試験の整備士免許の内容でも ネジ の締め方や理論がほとんど
行っておらず.基本中の基本であるべき ネジ を軽視しすぎてるようにしか思えない。
1級整備士免許を持ってたとしても ネジ を理解している者がほとんどいない状況だ.
二本以上で結合されている部品(上画像の場合はキャリパー)はどちらが先に
締めたらいいか考えながら締めましょうと教えてます.
この場合 右 のキャリパーは下側のネジから閉め 左のキャリパーの場合は
上から締めることになります.
後は キャリパーボルトの軸力2000Kg超える為 1回で締めるか数回に
分けて締めるかで 少しの差ではあるが精度、完成度が変わってきます.
t単位で締め付けるのであれば人間の手で歪まなくても歪むものです.
オイル交換をしたことがある人は分かると思いますが ドレンワッシャー
つぶれたのを見たことあるでしょ。今度 踏んでください 人間の体重ぐらいでは
つぶれませんから.
一箇所の ネジ をキチンと締めてほとんどかわらなくても
1車両 何百とある ネジ をキチンと締めると変わるものです.
塵も積もれば マウンテン
左の画像は フォークトップブリッジのピンチボルト。
右の画像は フレームの連結ボルト
マニアルだと同じトルク表示です。
アルミでしかもすり割のあるものと鉄で合わせただけの物が同じトルクで
締めていいのかなー
木と鉄であれば締め付けトルクを替えるけど同じことだと思いませんか?
クラッチカバーのボルト このボルトもどこのボルトが1番最初に締めるか
何回に分けて締めるか考えて締めよう。
このクラッチカバー締め終わったときには数トンの力で止まってんだよ。
面が大きい物は締め方が悪いと歪む可能性があります.
エンジン組むときもよく観察して考えて組むとフィーリングも馬力も変わってきます.
メタルクリアランスなどもすべて同じにする必要は無く あえて ケース剛性や
クランクシャフト剛性を考慮しながら変えていくと結構変わるもんです。
マニアルとは誰でも新車時位に組めますよというもので 新車時以上に
組もうとするとよく考えて組むしかないんだよ.